周辺
高知市から国道55号線を東へ走り安芸市に入ったあたりで
前方にいくつかの岬が並んで見えるポイントがある
どの岬も同じような形をしていて荒波に揉まれ生命力に溢れた樹木が繁茂している
濃い緑が層を成し幾重にも折り重なる独特の風景だ
同じ岬でも高知県の場合西と東ではその容姿が異なる
岬は海に融け空と海が残る
観草
折り重なって見える岬をいくつか越えると室戸市街へ入る手前に行当（ぎょうどう）岬がある
名前の通り空海が修行をしたといわれる行場である
現在はわずかに頂部のみが遠景より確認出来る
国道から入ると岩石の前に小さなさびれたお堂がある
向かって右手に岩石を巡る遊歩道があり眼下には荒波が叩きつける太平洋が広がっている
高さおよそ40ｍの岩石は、はるか遠く外洋を見つめる孤高の巨人だ
この地方独特の亜熱帯性樹木が岩石の周囲を覆い緑のレースの結界を張っている
木漏れ日が白色の岩肌に差し込んで岩石に精気を与え妖しく揺れている
