神立神岩
神立神岩
正月休みのある日家族を実家へ放り込んで朝より淡路島を目指した
最初の目的地は南淡町土生港沖に浮かぶ沼島
島の南海上に上立神岩が浮かんでいる
この岩石を見たいと思ったのは中央構造線のほぼライン上にあるからだ
中央構造線は茨城から四国を横断して熊本へ達する日本最大の活断層である
正確には沼島と南淡町の間の海中にある
沼島の岩石は三波川変成帯に属する変成岩で
古太平洋プレート（イザナギプレート）がユーラシアプレートに沈み込んだ際に変成された
プレートテクニクスの産物なのだ
古事記のオノコロ伝説を彷彿とさせる成り立ちが天地創造の営みをダイレクトに表現している
この岩石を依代として頻発する地震の鎮魂をすることが今回の目的でもある
寂れた町並みを抜け２０分ほど坂を登ると峠に着いた
前方には紀伊水道がパノラマの様に広がっていた
下は40ｍほどの絶壁で剥き出しの泥質片岩がダイナミックに畝って圧倒的な迫力で迫ってくる
グレーぽい岩石と紺碧の海のツートンな風景に高さ30ｍ余の上立神岩が屹立していた
その素晴らしい立ち姿に思わず息を飲んだ
これほどまでに美しい立岩を見たことが無い、思わず伏し拝みたくなるほど光々しくもある
しばし時を忘れ見つめた、断崖に吹きつける風は肌を刺すように痛いが瞬きひとつ出来ない
立岩に引き付けられる様な感じがして身動き出来ないのだ
暫くの時間が経過してやっと立岩から解放されたのでリュックから石笛を取り出して奏上する
鎮魂などとは思い上がりも甚だしかったと痛感する、存在感が全く違うのだ
頭の中を空っぽにして石に息を入れる
石音はひときわ大きく鳴り、激しい風にも負けず岩に叩きつける波と戯れた
立岩の隣にあるアミダバエ
沼島オノコロ神社 参道
崖上より望む
＜聖石分類表＞
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名称 |
上立神岩、下立神岩 |
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型式 |
霊石型 |
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人々の認識 |
畏敬的信仰 |
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岩石の選定状況 |
自然石 |
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信仰的性格 |
民俗信仰 伊弉諾・伊弉冉神 |
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資料価値 |
ニ次資料 |
＜調査報告書＞
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岩石の名称 |
上立神岩 |
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所在地 |
兵庫県三原郡南淡町沼島 |
存在する岩石
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上立神岩、下立神岩 |
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岩石の立地と向き |
上立神岩は沼島のほぼ中央部西岸、下立神岩は南岸の海上にあり共に紀伊水道に面している |
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岩石の個数 |
各々1個の巨大な立石と陰石 |
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岩石の形状・規模 |
上立神岩は高さ約30ｍ下辺約7ｍほどの円錐状の立石、とそれより1.5ｋｍ南西に中央部に穴が空いた下立神岩があった |
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岩石に宿るもの |
伊弉諾・伊弉冉神 |
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中心的役割を担う聖石と向き |
上立神岩、下立神岩、夫々独立岩 |
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文献史学的情報 |
？ |
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考古学的情報 |
？ |
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民俗学的情報 |
沼島は国生み神話オノコロ島の比定地の一つとされており島内にはオノコロ神社がある |
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岩石の信仰的環境 |
島民は現在もこの岩石を祭りタテガミさんと呼んでいる |
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信仰の発生要因 |
岩石の形状により発生した |
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聖石の信仰推定時期 |
？ |
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現在の岩石の状況 |
下立神岩は昭和３５年の室戸台風で上部が崩壊した |
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参考文献 |
沼島観光案内 |
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備考 |
美しい |
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